狭窄歯列の洪水(愛D歯科&矯正歯科)
今から30から40年前は、日本の歯科医師の多くは、子供たちの虫歯の治療に追われていました。
毎日、治療しても治療しても虫歯の患者さんは減らなかったので、
当時の事を例えが適切かはわかりませんが、「虫歯の洪水」と呼ばれていました。
当時は、子供の90%以上、大人は、そこに歯周病が加わるので、日本人の多くが歯科の病気になっていました。
それこそ、朝から晩まで治療しても治療しても患者さんは、一向に減りません。
正に洪水のように、患者さんが待合室にも診療室にもあふれていました。
それが、25年位前から虫歯も歯周病も予防や治療法の進歩によって、減少に転じました。
特に、子供の虫歯の数は、減少の一途を辿っていきました。
今では、子供の虫歯は、ほとんど見られなくなりましたが、(予防歯科の勝利です)
その反面、最近は、狭窄歯列の子供の増加によって、口腔機能の発達が未熟な子供たちが増加してきました。
それに伴って、鼻がつまってお口がポカンと開いている口呼吸の子供がすごい勢いで増加しています。
その子供たちは、学習能力、運動能力の低下や食事の時間が長い、極端に、身長が高いか低い、太っているか痩せすぎている
アレルギー疾患を抱えていたり、歯並びや噛み合わせが悪い、頭痛や便秘、下痢、やる気が出ない、ボーとしているなどの
心身的な問題を複数抱えていることがよくあります。
それらは、生活習慣の大幅な変化によって、変化してきているもので、
特に、食生活の欧米化や軟食化が大きな原因の一つと言われています。
成長期の口腔機能の発達は、全身の姿勢・呼吸・咀嚼・嚥下・発音・顎及び歯列の形態に関与しているとの報告があります。
狭窄歯列弓に対応している歯科医師の人数からすると、正に「狭窄歯列の洪水」といっても
決して言い過ぎではないような気がします。
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